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心の万華鏡  

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2017年 04月 25日

私の桜物語

桜も気がつくと終わりましたね

みなさんの今年の桜はいかがでした?

心に残る桜と巡り会えましたか


花の季節は心がざわざわとしてくる

坂口安吾が 「桜の森の満開の下」の傑作を書いたのは有名です

彼の心にも満開の桜が妖しく揺れていたのでしょうか

作家というものは、見かけがどうであれ心の中に狂気を抱いているものだと私は思っています

いや 私のことではありませんよ 笑 作家じゃないしって言わんでもわかってるよね 爆笑




ショート ショート 「桜と女」を書いていますが どうにも筆が進みません

妙な方向に筆が滑っていきます

こういう時は無理に書くと必ず失敗します(と、言い訳 笑

書けないかもしれません



代わりにと言っちゃあ何ですが。。。。。。

私の故郷の桜と 心に深く残る桜のことを 書こうと思います

私の心に咲く桜は山桜

ソメイヨシノではダメ あれは退屈な桜だ


私の故郷は深い山の中 

と言っても 子供時代は美しく手入れされた棚田と畑 雑木林と山林が広がる里山だった

私はレンゲが咲く田んぼで遊んでいる

暖かい光は野にも山にも満ちて、向かいの山の影が濃い

風もないのに白い山桜が私に降ってくる

ちょっとした広場が上にあり そこに樹齢何百年かの山桜の古木があるのだ

ひらひら はらはら 桜が舞い落ちる 私はレンゲを摘むのに忙しい

いつの間にやら風が出て 花びらはますます落ちてくる

私の頭の上にも、田んぼの緑の草の上にも白い花びらが舞い落ちる

目をあげると 陰影の濃い向かいの山が見える そこにも山桜の古木がある

谷風に花びらが舞うのが見えるのだ

谷風が山肌を縫うように上がっていく その風が桜に到達すると しばらく時間をおいて花びらが舞うのだ

私の頭の上の桜と山の桜は まるで呼応するように花びらを散らしている

私はレンゲ摘みをやめて それをじっと見ている 多分小学校に上がるか上がらないかの私の桜の記憶です」


私の桜物語_d0027244_20401965.jpg

もう一つ 忘れられない私の桜

静かな静かな風のない夜

満月だった

道が煌々と光っているように見えた

山道を走っていた私は 思わず車を止めて降りてみたのだ

満月の夜は銀色の夜だった

柔らかい月の光は 山も道も草もなにもかもを銀色のベールで覆っているかのようだった

そして、暗いはずの山の端は薄い青色に煙って見えるのだ

夜はこんなにも華やかだったのだ 

銀色の光が溢れる中で 一本の桜が花びらを散らしていた

風もないのに、我と我が身を震わせるかのように その桜は花びらを散らしていた

桜の花びらは月の光を受けて真白く輝くのだ

あるかないかの風に乗るように桜の花びらは しばらく木の周りをひらひらと舞っている

そして静かに落ちていくのだ 

私の目にはその落ちていく一枚一枚の花びらが 行く春を惜しんでいるかのように見えた

一生に一度見るか見ないかというような光景でした

満月の夜 花びらが舞う 

月明かりの下で静かに春を舞う

私はどれくらいそこに立っていたのでしょうか

どんなカメラにも捉えきれない美しさと広がりがそこにありました

私の忘れられない桜です


by hanarenge | 2017-04-25 00:14 | 作文


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