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心の万華鏡  

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2012年 07月 19日

虹色の

蜘蛛の糸は 細い細い銀の糸 

お日様がそこにピカッと光を投げたら 糸は虹になったよ

虹色の_d0027244_23463480.jpg



犍陀多(カンダタ)は 絶望していたのです

そこにきらきらと輝く一本の糸が頭の上に下りて来たのです 

抜け出したい!これは一回きりの最後のチャンス これを見つけたのは 誰でもない この俺だ そう 犍陀多(カンダタ)様だ

だから そのチャンスを掴んだのです 誰にもこのチャンスを渡したくはないのです

蹴落としてでも這い上がりたかったのです チャンスを掴んだ権利なのです

お先にどうぞと譲れば良かったのかしら 後から後から登る人たちを見送れば良かったのかしら

でも 糸は切れそうで 切れたら最後 二度とないのだろうと 思うのは悪い事かしら

私は犍陀多を笑えない 自分に重なって見えてしまう 目の前の希望にすがりついて這い上がろうと足掻くのは 誰しも同じだろうと思う

生きるか死ぬか いやもう死んでいるのだけど 究極の選択だ

地獄は 自らの業 自業苦(じごく)だと言う
(この自らの業の苦しみを自業苦(じごく)と 言うと 私のブログのお友達の悠月さんが この記事のコメントで書いておられます

己の胸の内に 様々な矛盾を抱いて 人は生きる それ故に大悪党も一匹の蜘蛛に情けをかけるのだ

何も不自然な事ではない 悪人にも善 善人にも悪だ

犍陀多はお釈迦様の深遠な企みなど 知る由もなかったのです 

ただもう目の前の蜘蛛の糸にすがりついただけなのだ

私も 自業苦故に 足掻きながら落ちて行くのだろうなあ・・・・


青空文庫 蜘蛛の糸

by hanarenge | 2012-07-19 20:10 |


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