カテゴリ:小さな童話( 20 )


2017年 04月 21日

風はまだ?(万博公園)

真っ白なチュチュ

今日はそれを身につけるの

準備はもういいね?


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野原の王冠は 白いチュチュに着替えました

この前まではお日様色に輝いていたのよ

でも、もう時がきたの

風を待って 風に乗って 旅に出るの

うまくすれば 私たちのダンスが見られるかもよ

淋しいなんて言わないで

いつも思っているから 忘れないから

だから風に乗って飛んでいく私達を見送ってね

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タンポポの綿毛が好きです

綿毛を見るとふ〜〜〜っとしたくなりませんか?

子供の時からの癖が抜けません

綿毛があると見に行きたくなります

タンポポ またアップします


昔 童話を書きました

タンポポのことです 

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by hanarenge | 2017-04-21 21:22 | 小さな童話 | Comments(0)
2013年 09月 10日

蒼いトンボと赤いトンボ

久しぶりに「小さな童話」です。

あれは、まだ暑い八月の終わり頃かしら。
買い物を兼ねた散歩の途中、キラキラ光る美しいトンボが私の前を横切っていきました。
翡翠のような体でした。
あのトンボは何処へ行くのかしら・・・・・
そんな事を思っていたら童話を書きたくなったのです。

ブログをリンク頂いている
スポック艦長さんのトンボのお写真にあるトンボが私の見たトンボにとても良く似ていました。
スポック艦長さんに図々しくお願いをしてリンクをさせて頂きました。ありがとうございます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++
私はその日、谷にいた。
さらさらと流れる澤の水に自分の姿を映して眺めていた。
こんなに高く上がって来たのは初めてだ。
あんまり晴れた美しい日だったから、羽の趣くままに、飛んでみたと言う所かな。

そろそろ下ろう、でなきゃ迷子になっちまう
と、その時、下の澤から風が舞い上がり、私はその風に囚われてどんどん上に運ばれていったのだ。
透明の羽は、風を受けてこれ以上無いほどに広がり、耳元に、ビュンビュンと風の音がする。

どれくらい登っただろう、もう私はあの騒々しい世界に戻れないかもしれないと思った時、ふっと風が息を吸うように途切れたのだ。
今だ!私は生まれてからこんなに羽ばたいた事はないと言うくらい羽を動かし、懸命に風の道から逃げた。
ああ、助かった・・・・ホッとして、急に羽が頼りなく感じられて、私はすぐ側の木の葉の陰で休もうとしたのだ。

葉影から見ると、青い青い空が高く見えて、その下に無数の煌めく羽があった。

おや?目を凝らすとそれは真っ赤に色づく前のトンボの群れだった。

申し遅れたが私もトンボだ。ただし種類は違う。
種類が違うと言う事は、住む所も暮らし方も違うのだ、もちろん言葉も違う。
トンボなんて皆一緒と思っている人間には、期待を裏切って悪いけれどね。
とにかく、私はこの山の中にたった一匹なのだ。

私は、葉の陰からゆっくり飛び立った。
そして赤とんぼになる前の群れに近づいてみたのだ。
初めのうちは、全く相手にもされなかった。
彼らは、山の中で、ひらひら、すいすい、あっちへ行ったりこっちへ飛んだり。。。。。
何の意味があるのかどうか・・・・・・・・・・ひたすら飛んでいるのだ。

さっさと山を下りたらいいのだが、またあの谷風に捕まったら、今度こそ冷たくて空気の薄い、剣のような山のてっぺんまで連れて行かれそうに思って、飛び出す気持ちにはなれなかった。

異邦人のようなトンボの中で私は、それでも飛んでみたのだ。

やがて、ざわめきが起こり暫くすると、一匹のトンボが横に来て、::@・・・と大声で言う。
何を言っているのか全く解らないが、どこから来たと聞いているのだと勘で解った。
山の下から来たと言うと、解ったのか解らなかったのか、へん!とバカにしたようにして飛んでいった。

それから代る代る異邦人が飛んで来る。

そんな事が何日か続いたある日、突然言葉が振って来た。

お前は何者だ。。。。。。

私はトンボだ。

トンボだって?俺たちもトンボだ。

この山の中のトンボは自分達以外のトンボを見た事がないのだろうか?

私とそのトンボは真っ正面から見合った。
丸く大きい目、透明な羽、真っ直ぐな身体、どこからどこまで一緒のようで、やっぱり違う。
種族が違うのだ。

これからどうするのだ?
解らない。ここから降りるのだ。
何故?
時が来たのだ。
時とは?
知らない。時は時だ。

会話はこれだけ、トンボの言葉は多くない。

無駄な事は言わないし言えない。語彙が少ないのだ。
だからと言って不自由ではない。
だいたい、生まれて死ぬまでどれくらいの言葉がいるのだ?

羽を煌めかせて大空を飛ぶ私たちは、飛び方や羽の動かし方で、充分に相手の事が解るのだ。
異邦人のトンボも基本は一緒だと解ったよ。

山の野原の上で、さんざめく光を浴びながら、羽を光らせて飛んでいた群れは、やがてゆっくりと夕焼けのような真っ赤な色に変わっていった。

山を下りるときが来たんだなあと私にも解った。

私も彼らの後について行こう。澤から上がる風の道を避けて飛ぶすべも赤とんぼの群れなら、知っているだろうから・・・・・。

真っ赤な夕焼けの色の群れは、どんどん集まりやがていっせいに麓を目指して羽ばたき始めた。

何故彼らは山に上がるのか、何故また麓に降りるのか?私には解らない、それは彼らだけの生き方なのだろうから。

それでも、短い間に一緒に飛んで、言葉も少し交わした異邦人たちとの飛行は楽しかった。
群れ全体が降りていくのだけど、整然と並んで進むのではなく、あっちへ飛んだりこっちへ曲がったり、降りて来た山の上へ戻ろうとするものもいる。
その度に羽が体をかすめ、しゃらしゃらと言うような不思議な音がした。
赤とんぼの群れは何が可笑しいのか、その度にとても楽しそうに笑うのだ。
赤い体と透明の羽がきらきら、きらきら、光に、またたいて見えるのだ。

私?私はエメラルドと翡翠色のトンボさ。
太陽の下ではまるで宝石のように見えるよ。
暑い夏が私の体を輝かせるのさ。
夏の申し子みたいなものだね。

私が風を切って飛ぶと、人間の子供は目を丸くして、見ているよ。
白い網を振り回しているけれど、なあに、私は凄く早いから捕まりっこないのさ。
それでも、時々は側に行ってやるんだ。
人間の子供は、わあ!綺麗とか何とか言っているよ。
それを聞くと気持ちがいいねえ。

・・・・・お前、ここで・・・・・お・・・・

何?何か言ったのかしら?

赤とんぼ達が羽を広げて空き地の上を舞っている。

お別れだよ、ここで。楽しかったよ。

そうなのか。赤とんぼは麓に降りてここで暮らすのか。

こっちこそありがとう、おかげで無事に降りて来られたよ。
君達と知り合えて良かったよ。じゃあ行くね。

またいつか会えたらいいね。うん、また会えたらいいね

もう会えない事はお互いに何となく解っていた。

そう言う私だって、先の事は解らない。

赤とんぼの方を振返って、羽を思い切り振ってみた。(さようなら・・・・

赤とんぼたちもいっせいに羽を振り返してくれた。(さようなら・・・・

赤い色が燃え立つように輝いていたよ。

私の翡翠の色もうんと青く光って見えていたらいいな。

私はそう思うと泣きそうになった。

涙を見られたら恥ずかしいや。。。。

私はもう振返らずに真っ直ぐに高く飛んだ。
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by hanarenge | 2013-09-10 21:42 | 小さな童話 | Comments(6)
2010年 05月 20日

丸い丸い水の玉とMacのこと

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五月にしては 冷たい雨が 一晩中降った朝

まだ硬い牡丹の蕾の下に 幾つもの水滴を載せた 葉

ころころと葉の上で 不安定に転がるそれは 朝の光の中で 静かにまどろむ

まるで 葉の上から お日様の光の矢に乗って元いた空へ帰ることを 知っているかのように じっと止まったまま

水滴を載せた葉は 風が吹くとうなずき合うように 葉を揺らす そうすると水滴はころころと銀の鈴のように
震えるのだ

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Macには Windowsのような 画像を小さくするペイントとかが 組み込まれていません
Jtrimのような便利な編集ソフトも Macには対応していません
画像の編集のフリーソフトはありますが たいがい英語で書いてあります わからんやん 笑

だもんで 画像編集ソフト・・・・えぇっと フォトショップでしたっけ アレを買わなければなりません

Macに変えて後悔しているのではと思われますか????

それが 結構そういう不便さも楽しいんですよ ゴミ箱に捨てたファイルを一個選んで捨てるのはどうするんか

ゴミ箱を空にするという項目を選べば 全てが消去されます windowsの場合はゴミ箱の中で捨てるファイルを選べました
いえ Macでも選べるのです それを今日調べていてわかりました まだ試していませんが・・・・・

試しました031.gif個別に削除はなさそうです 何故に!!!

削除のcommand+deleteは 戻すキーにもなるようです
と言うことは ゴミ箱削除は全てか否かと言うことになるんですね これってちょっと不便では??と思うのは
winの悲しさ??  5/21  追記

Macを使いこなしている方々から見れば 吹き出しそうな話ですが 一つでもわかると些細なことでも嬉しいですね
そう言うことで 当分 手探りのMac探検です 毎晩 開けてみて触っているのですが ネットに繋いでいないので オンラインで調べるとかができません

まだ ネットはXPです   これで調べては Macを触っています あぁしんど(笑) 
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by hanarenge | 2010-05-20 23:00 | 小さな童話 | Comments(2)
2007年 06月 07日

ほんまに失礼だした

ルンルンと 足取りも軽く おふさ観音の薔薇を満喫しての帰り道♪

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みぃつけた♪ツバメのおうち 赤ちゃんがいて にぎやかな様子

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お母さん(お父さんの可能性もあり)が 飛んできて 子供たちに食事をさせている

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-----あんさん ちょっと おいない 何をしたはりますのや?
       ここは うっとこのおうちだっせぇ うちらは ここで 子供を育ててますのんや
       今が一番大事な時期でな ぎょうさん 食べさせて はよぉ 大きぃなってもらわな かなんねん

       秋になったら 遠い南の国まで 帰るんだすさかいにな
       そないな 黒いもんで サーチライトみたいに光る目ぇでじろじろみられたら うっとこの子ぉらが こわがりますやろぉ 

       ここは うっとこの領分だす あんさんは あっちだす トットと お帰りぃ

お母さんツバメは 私のカメラに きっと 向き合い じっと見つめた
毅然とした態度でありました 心なしか お母さんツバメの鼻の穴 大きく見えます

ほんまに失礼な事だした 私は ツバメの抗議をもっともな事だと思いました。

元気な巣立ちを祈りながら ツバメに別れを告げました
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by hanarenge | 2007-06-07 10:44 | 小さな童話 | Comments(16)
2007年 05月 25日

星砂物語 (珊瑚の夢・・・・)

タンポポさんのブログより

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あなたは 知っていますか
遠い遠い南の海 真っ赤なお日様が トックン トックンと 沈んでいって
海は 金色に燃え上がるのです

あなたは 知っていますか 
銀色のお月様が しずしずと 昇ってきて 海は 銀の薄いベールをかけたように
輝くのです

さあ これから 南の海の 珊瑚の夢のお話を聞きに行きましょう

ゆらゆら ふわふわ しゃらしゃら 小さな 小さな 珊瑚の子供が海を漂っています

珊瑚の子供は 本当は もっと もっと 遠くへ行きたいのです
今漂っている向こうには 青く青く透き通った水がいっぱいあって その向こうまで行ってみたいのでした
そこは 海の底が すとんと落ち込んで 急に深くなっているのです
その深い海のそこから 夜になると 赤や青や もっと透き通った色の不思議な生き物たちが ゆらゆらと浮かび上がってくるのです
僕も あそこまで行ったら 綺麗な色のゆらゆら揺れる体に成れるかもしれない
珊瑚の子供は そう思って 一生懸命に 深い深い海の側まで行こうとしました

海の水は そんな珊瑚の子供の願いを 無視するように 大きな波を送ってきて
珊瑚の子供は うんと陸の近くの岩のある所まで戻されてしまいました

もう一度・・・そう思って 前に踏み出そうとしたとき 珊瑚の体はしっかりと
黒い岩にくっついてしまったのです
もう どうやったって 離れません
珊瑚の子供は恨めしそうに 自分の足元を見ました
そうして それから あの深い青い水を 悲しそうに見たのでした

珊瑚は そこで大きくなるしかありませんでした
私たち 陸で暮らすものには とても長い時間が流れたように思います
それでも 珊瑚はまだ ほんの少し 大きくなっただけでした
珊瑚の時間は陸で暮らす生き物とは 違うのです
一年は365日 でも365秒が一年の生き物もいれば 3650年が一年の生き物もいるのです
珊瑚は 何回も 深い海の底から現れる 不思議な生き物を見ました
珊瑚は 何回も 真っ赤なお日様を眺めました
夜のお月様の 薄い銀のベールの海も 見ました お月様が昇ってこない夜の海は暗くて
生き物たちも 静かにしています
でも そんな夜には 海の水が 引いていって 珊瑚のすむ岩が少し空に近くなったように思える時に 金色に光る小さな星を見ることが出来ました

星たちは 珊瑚の海を見下ろしながら楽しそうに キラキラと瞬いて 笑いあっています
ああ 空には あんなに綺麗な光る体を持ったものがいるんだなあと 少し哀しいような寂しいような気持ちで 珊瑚は 水から透けて見える空を見ながら思いました

気がつくと 珊瑚はとても大きくなり 周りには 自分と同じようなたくさんの珊瑚で
黒い岩はすっかり賑やかになっていました
海は優しく波を送って 珊瑚の周りには 綺麗な魚たちがヒラヒラと嬉しそうに泳いでいました
珊瑚も 大きくなったので もうあの深い青い水のそばまで行きたいと思った事や
暗い夜になると 湧き上がるように 深い海の底から 上がってくる 不思議な生き物たちと 遊びたいと思った事は 思い出す事もなくなりました
珊瑚は 幸せでした

ある日の事です 海は朝から不機嫌で 怒っていました
何だか濁っていて 大きな塊の水が 珊瑚の岩にどーんとあたるのでした
魚たちが逃げていくのが見えました 海草がくるくると回りながら流されていくのが見えました
黒い大きな塊が 押し寄せて 岩を殴りつけるのでした
そんな荒い海は やがてもっともっと怒り出し 珊瑚たちは 驚いて目を閉じてじっと海の怒りが静まるのを待っているのでした
あっと思うまもなく 珊瑚は自分の体が 乱暴に岩からもぎ取られたように思ったのでした
黒い水は 珊瑚を捕まえて くるくると回しながら あの深いところまで連れて行ったのでした
最後に珊瑚は やっとの思いで後ろを振り返り自分の岩を見ました
さようなら さようなら ほかの珊瑚は 必死に岩にしがみつきながら流されていく珊瑚を見送ったのでした

珊瑚は 次に目を覚ましたとき 懐かしい黒い岩の上ではなく 海の中でもなかったのです

いったい ここはどこだろう 僕はどうなったんだろう
ざぁざあーざざーと波の音が聞こえます 冷たい水の変わりに薄い紙のような空気が
珊瑚を取り囲んでいました
周りには 白い白い砂がいっぱい それは 丸いのやとがったのや 様々でした
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やがて 珊瑚は 波の音を聞きながら眠ってしまいました
どれくらいの時間が経ったことでしょうか 誰にも分かりません
珊瑚は自分の体が細かく小さくなっているのに気がつきました
痛いことも苦しい事もありませんが 淋しい気持ちがずっとありました

ある日 小さな ささやき声がしました やあ 君もかい 僕たちもここで欠片になったんだよ
珊瑚が目を開けてみると 白い白い星たちがいるのでした
ふと気がついてみると 珊瑚は 小さくなって あの遠い昔 黒い岩の上から眺めた 空にいる金色の星に 似た形になっているのでした
星砂になったんだよ 丸い形の珊瑚がいいました
お日様の星になるものと 星の砂になるものがいるんだよ
珊瑚は遠い昔の自分の夢が 一つだけ 叶ったことを思いました
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やがて 珊瑚は 綺麗な星の形になり ある日 この砂浜へ遊びに来た人に拾われました

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珊瑚は思いもしなかった長い旅に出て 綺麗なぴかぴかのガラスの瓶に入れてもらいました
そこは海の見えない 緑色の葉っぱがたくさんある所でした
珊瑚の綺麗な新しいおうちには 白い星の砂がたくさん住んでいました

珊瑚は嬉しくなりました だって 南の海を知っているたくさんの仲間に出会えたのですから
珊瑚の夢は 叶ったのです ピカピカ光る星の砂になったのです



こちらにリンクをしてくださっている ネットのお友達のタンポポさんのHPで 西表島の星の砂の記事を拝見しました
それから 膨らませたお話です
掲載してある 写真は どれも タンポポさんにご無理をお願いしてお借りしたものです
タンポポさん ありがとうございました 感謝いたしています
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by hanarenge | 2007-05-25 12:10 | 小さな童話 | Comments(12)
2007年 04月 10日

花ある君   初恋より

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                            春は曙   曙色はこんな色? 君の心は?
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by hanarenge | 2007-04-10 17:17 | 小さな童話 | Comments(16)
2007年 04月 08日

春 春 春

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                     のびてゆこうよ お日様のところまで


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by hanarenge | 2007-04-08 21:07 | 小さな童話 | Comments(12)
2007年 02月 22日

ざわざわの海

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大きな一枚の布のような、海は、風の強い日には、白い棘をいっぱいに、たてて、しかめっ面をしている。

波が、其処を退けろとばかりに、海水を巻き込みながら、押し寄せる

やさしい呟きの海は 隠れてしまった

風をはらんで たっぷりとした 海水が 躍り上がるように 岩を乗り越える

力いっぱい 蹴り上げる 力の恐ろしい強さ

侮らないでくれるかい  私の力は すごいのだよ   引き返す波の陰から そんな声が聞こえたような朝

魅せられたように波を見ていた私   足がふわっと浮いて前に進みそうな誘惑を感じながら
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by hanarenge | 2007-02-22 18:34 | 小さな童話 | Comments(16)
2006年 12月 06日

雪虫の詩

ざざっ ざざぁ どぉん どぉぉぉん しゅーしゅー ひゅ~~

あの音が、聞こえるかい?まるで海鳴りのようだろう?冷たい波が逆巻いて、岩を削って暴れている・・・・・
そう、思っているのかい?

あれは、遠い、遠い、北の山の奥の奥 雪姫様の使いの北風が、外へ出たいと、泣いている音だよ。
幾百もの、山を越え、幾百もの川を、渡って、恐ろしい深さの湖を、越えた所に、雪姫様の御国はあるんだよ。
天にも届くと思うような、高い高い果てし無く高い樫の大木で作った大門の向こうに、雪姫様は、いらっしゃるんだよ。
僕たちは、野山や里に、真っ先にやってくる、冬の便りなんだ。

雪姫様が、ある朝、僕たちに、こう、言うんだよ。。。「さあ、お行き、もう、ふわふわの雪の印が出来上がったよ」とね。

僕たちは、雪姫様から戴いた、細くて硬い、氷のペンを持って、初めての世界へ飛び出すんだ。
僕たちを送り出すとき、雪姫様は、黒くて堅い大きな門を、すこぉしだけ開けて、外へ出たがっている北風を少しだけ、ちぎって出してやるんだ。それが、僕たちの乗り物なのさ。

クルクル回る北風は、あっという間に湖と山を越えて、里に僕たちを落としていくんだよ。
ふわふわの雪の印をつけた僕たちは、雪姫様から頂いた氷のペンで、まだまだ赤い椛や、黄色い銀杏、小さな秋の花達に、一つ一つ印をつけるんだ。
-さあ!さあ!眠るものは眠りにつけ 枯れ果てるものは枯れ果てよ 白く輝く冬の前に・・・
僕たちは囁きながら、一つ一つにペンを押し付けていくよ。

葉っぱは散り花も草も木も眠りについていく、空には北風が悲しそうに遊び相手を探して泣いているよ。
山の獣達も、やがてやってくる雪姫様の冬を知っているはずだよ。

僕たちはクルクル回りながら、冬のダンスを踊るんだ。遮る者の無い広い広い野原を、高い山の上を、幾筋もの川の上を、冬の来る事を知らせながらダンスを踊るんだ。

遠い遠い山の奥、雪姫様の御国は、まばゆい銀色と、一点のシミも無い真っ白な世界。
雪姫様の氷は、堅く透き通って、その氷の中には、赤や金や緑や青の不思議な炎が燃えているよ。
ゆらゆらと揺れる氷の光は、雪姫様の白いお庭に、君たちが見たことも無い絵を描くのさ。

うっすらと青い光の中で、雪姫様は、御国から出る時をじっと待っていらっしゃる。
乱暴者の北風は、堅い堅い樫の大門にどんどん当たって早く外へ出たいと泣いているんだ。
雪姫様が御国を出る時と言ったら!!ああ!君に見せてやりたいねぇ!!

樫の門がパーッと開かれて、北風が待ちきれないように飛び出していくんだ。
北風のつけた道を、雪姫様は、銀色の光りのような乗り物に乗って、長い袂と銀色の長い帯を後ろに、なびかせて、高く高く空を目指すんだ。
ごおぉぉぉっと、風が舞い、やがて、白い白い雪が落ちてくる。
北風があんまり暴れると、雪姫様は、冷たくて長いムチをピシッと鳴らすんだよ。
その音を聞いたら、どんな暴れ者の北風だって、たちまち大人しくなるのさ。

野にも山にも、里にも、雪姫様は、真っ白い雪を降らすんだよ。しんしん しんしん、高い空からは雪が舞い降りてくる。

野山も里も、深い雪に埋もれて、春までの間、長い長い眠りにつくのさ。
僕たちも、雪の下に、埋まってしまう。けれども、雪姫様は長い袂をひるがえして、柔らかい雪の下から僕たちを、優しく拾い上げてくださるんだよ。
遠い雪の御国の、あの、お庭の氷の中に僕たちをそっと落としておくんだ。
僕たちは、氷の中で、赤や金や青の炎になって、雪姫様に里で見た秋の美しい野山の様子を教えてあげるんだ。

ねえ、遠い山の奥から来た僕たちが 雪姫様のお使いだって分かってくれたかい?


こちらにリンクを頂いているyoas23さんの雪虫から、私なりにイメージを膨らませました。
yoas23さん 有難うございました。
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by hanarenge | 2006-12-06 00:49 | 小さな童話 | Comments(12)
2006年 11月 23日

冷たい雨の降る朝に

冷たい雨が降る朝、ボクは、何だか、軽くなって、空へと、登っていった。
フワフワと浮かんでいるうちに、冷たい雨を通り越して、青い空が見えてきたよ。

僕が下を見ると、今まで、ボクが暮らしていた、小さな、あんまり綺麗じゃない池が見えるんだ

池の水に、浮かんだまんまで、身動きしない、白い鳥。。。そう!ボクはさっきまであの白い鳥だったんだよ。

グワァ グワァと鳴く黄色いくちばしのボク、ボクは池で暮らすアヒルなんだよ
ボクであったアヒルの側にいるのはね、カモ君だ。
身動き一つしないで、水に浮かんだボクの側を離れない・・・・・・

カモ君は、渡り鳥、ずぅっと前に僕の住む池にやってきたんだよ。
それから、何故か、ボクと、カモ君は仲良くなって、渡りの季節がやって来た時、カモ君のお友達達が、勢揃いして、羽根を整え、いっせいに、北を向いて飛び立った後も、ボクの友達のカモ君は、池に残ったのさ。。。。。

どうしてなのか、ボクは、聞かなかったよ。そして、明日は行ってしまうだろう、あさってにはもう居ないだろうと、しばらくは、そんなことを考えていたのさ。

だけど、いつか、そんなことは、思わなくなった。カモ君も何も言わなかったよ。

毎朝、おはようを言って、ボクとカモ君は一緒に小さな池を一回りしたんだよ
いつも、一緒に、水の上を滑るように、泳いでは、お話しをしたよ。

狭い池で暮らすボクは、カモ君の青い空を飛ぶ時の風の音や、まぶしい太陽の話を聞いたんだよ。

次の冬がやってきて、カモ君のお友達が池にやって来た時にも、チョッと挨拶したら、カモ君はまたボクと一緒に居てくれたんだ。

僕がだんだん弱ってきて、早く泳げなくなった時も、カモ君はゆっくり泳いでくれて、一緒に居てくれたっけ・・・・・・・

気が付いたら、ボクは、カモ君を置いて一人で空へ登ってきてしまった・・・・・・・
カモ君 ごめんね ごめんね、ボク、自分じゃ、どうしようもなかったの・・・・・・
カモ君が言っていた空にボクは浮かんでいるよ。本当に青くて暖かくて風の音が聞こえて、気持ちがいいねえ!!
カモ君 ありがとうね、ありがとうね、いままで、ほんとうにありがとうね、カモ君、大好きだったよ。
さようなら さようなら ボクはこんなに軽くなっちゃったけれど、心はいっつもあの池でカモ君と一緒にいるよ。
カモ君 ありがとうね ありがとうね。今度の渡りの時には、お友達達と北の国へ帰ってね。


ねえ、ボクとカモ君の事を知っていた人がいてね、その人が、物好きなオバサンに僕たちの話をしたんだって。
きっと、物好きなオバサンは、ブログとか言う物に書くと思うよ。

この、カモとアヒルは、本当に、私の家の近くのちいさな池で一緒に暮らしていました。
ずっと、この、コンビを見ていた人から、アヒルが死んでしまって、その側でカモがしょんぼりと身動き一つせずに側にいると、日曜日に聞きました。
チョッと、切ない、思いです。
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by hanarenge | 2006-11-23 02:33 | 小さな童話 | Comments(16)