「ほっ」と。キャンペーン
ブログトップ

心の万華鏡  

カテゴリ:幼い頃の・・・( 5 )

日なたのにおい

d0027244_2349897.jpg
d0027244_23451414.jpg

           小さな日溜まり 見上げた私の髪にもほろほろと 零れる花の・・・・・・・春
[PR]
by hanarenge | 2007-02-26 23:51 | 幼い頃の・・・ | Comments(10)

ヤマモモ

赤い丸い大きなキャンディのような、ヤマモモ

口に含んで、ギュッと圧すと酸味の勝った果汁があふれ出す

ヤマモモは、幼い頃への、記憶の扉
d0027244_18123353.jpg


初夏の風が、頬に心地よい、I屋敷の畑で、私は遊んでいる
「お父ちゃん、そこに、いてへんか?」母の声が、茄子の畑の向こうからする。
「いてへんよ」 私は、顔も上げずに、手元の「小さな自分の畑」の、土をいじりながら返事をする

I屋敷は、家から一山越えた所にある、大きな畑だ。昔ここに屋敷があったが、今は畑になっている。
それでも、畑の名前は昔からの名前で呼ばれている。

父と母について、この屋敷に来るのが楽しみの一つだった。

清水が湧き出る小さな泉は、底まで澄み切って、ジッと目を凝らすと、底の砂が湧き出る水に押し上げられ、永遠に終わらないダンスをしているように見える。
夏でも、冷たい泉から、何度、喉を潤した事だろう。
そこらじゅうに生えている、フキの葉を丸めて水をすくうと、緑色の葉は銀色に見えるのだ。

柿の木が、たくさんあって、今は大きな葉の影に隠れる様に生っている青い実は、秋には夕焼け色の甘い実になる。それを、木に登って、捥いで食べると、冷たい秋の空気のように、ジンと歯にしみた。

ひょっこりと、父が、姿を見せる。仕事をおいてどこにいっていたのだろうか?

父は、手を背中に回したままで、私の前まで来て、ヒョコッと大きな木の葉を丸めた物を出す。

開けてみると、丸い赤い実が、ポロポロとこぼれる。

ヤマモモだ、一つ口に含むと、苔の匂いが満ちる、羊歯の匂いがあふれる。
山の香りが口いっぱいに広がっていく。

ヤマモモは、畑の上の山の崖の所に一本あるのだ。とても大きくて、その下に行くと、茂った葉で空が見えない。

父は、この実の生る頃をよく知っていて、今のように、時々、ひょいと消えて、ニコニコしながら山から下りてくるのだ。

果物屋の店先に、この実が並ぶ頃、私の心は遠くあの夏に飛ぶ。
d0027244_1814264.jpg

[PR]
by hanarenge | 2006-06-21 18:16 | 幼い頃の・・・ | Comments(12)

ダンコロは宝物

暗く 寒い 冬が、ようやく終り、田んぼも山も、明るい光に包まれる四月

ダンコロは、なだらかな、小さな雑木林 二段になって広がっているから、私たちはそう呼んでいた。

雑木林は、柔らかな芽を付け、苔の匂いや、羊歯、枯れた葉や、チョッと湿った土の匂いがしている。
よく手入れされた、林には、木の間を通して、光が、其処ここに降り注ぎ、草の上に、明るい日だまりが幾つもできている。

丸く光が落ちている所に、今年は、菫が群れて咲いている。
丸く盛り上がって、其処だけは紫色の世界だ。

柔らかく暖かい雑木林の地面に座っていると、緑色の光が目の前で踊っているようだ。

私が、ジッと動かずに、その辺にある木の一部のようにしていると、この林の小さな住人のリスがひょこっと顔をのぞかせる。
静かに、静かに、首も動かさずに目だけでリスを見る。

ふわふわのしっぽを、ビンのブラシ洗いの様に立てて、木の枝を伝わって降りてくる。

今は私のすぐ前の、草の広場で、前足を口に持っていって、忙しく周りを見回している。

でも、リスはそこからは決してこちらに来ようとしない。フンフンと鼻をうごめかせ、匂いをかいでいる。
この林に、侵入者がいることを、知っているようだ。

長くジッとしたままだと、足も腰もだるくなってくる。私は、ウーンと伸びをしながら立ち上がる。
リスはとたんに、あっという間に、木の上に駆け上がり、葉っぱの後ろに隠れてしまうのだ。

春になったら、私は、家の持ち山の雑木林に行って、何をするともなく、山の匂いに取り囲まれて、座っているのが好きだった。

私の小さな秘密のつまった雑木林。

誰でも子供の頃には自分だけの宝物の場所を持っていますね
[PR]
by hanarenge | 2006-04-22 18:00 | 幼い頃の・・・ | Comments(6)

パフッと煙?

おーい、おーいと呼ぶ声がする。父の声だ。
何だろう。。。と思いながら、出てみると、父は摩訶不思議な物を持っていた。

山から落ちてきたぞと言いながら、ポンと地面に投げて、足で軽く踏むと・・・・・
パフッと微かな音がして、紫色の煙がその摩訶不思議な物から立ち昇る。
わー!!これ欲しいと言うが早いか、私も蹴ってみた。ポーンと弾んで、また、パフッ パフッ
春に買ってもらった、赤い毬よりも、面白そう!!

庭で蹴り上げると、少しだけ先にとんで、天辺からは紫色の煙 パフッ
夢中になって蹴って遊んだ。
蹴ることに飽きてくると、今度は踏んづける。やっぱり、パフッ しかも煙の量が多い
こんな面白いものが、裏山からうちの庭に転げ落ちてくるなんて、なんて素敵なんだろう
夢中で踏みつけ、踏みつけ、遊んでいるうちに、とうとう、ペシャンコになってしまった
もう、蹴っても、踏んでも、煙は出ない、パフッとも言わない。

どうやらタヌキノチャブクロ と言うキノコらしい。
ここにリンクをして下さっている「四季彩日記」のyoas23さんのブログに乗っているキノコの素晴らしい写真を拝見していて、裏山から落ちてきた摩訶不思議な物を思い出した。
[PR]
by hanarenge | 2006-04-21 00:05 | 幼い頃の・・・ | Comments(6)

憧れた叔母

私が、まだ、小学校に上がる前、叔母はお嫁に来た。
母の実家の仏間で座っていた、叔母は、幼い私の目から見てもとても美しい人だった。
黒引振袖の花嫁衣裳の叔母は、文金島田に白い角隠しをしてキラキラ光る簪を挿して少しうつむき加減で、座っていた。
お嫁さん。。。この不思議な優しい響きにうっとりとなって、私は、叔母のそばを片時も離れまいと、きっと真面目な顔をして、そのくせ何を言って良いのかもわからずに見ていたのだ。
叔母はそんな私を見て、ニッコリと笑ってくれた。
まあ、まあ、この子は、こんな所に居たのかえ?じゃまになるやろぅ?母か祖母が言って、私は別の部屋へ、連れて行かれたのだが・・・・・。

座敷に、明りが入り、その、丸い明りの下にお嫁さんが座っている。
いつも私に冗談を言う叔父とお嫁さんが、綺麗な色の座布団に座り、皆、笑ったり、お酒を飲んだり、楽しそうにしている。
私は、夢の中のような気分で、自分の席でやっぱり綺麗なお嫁さんをじっと見ていた。

私が憧れた美しい叔母は、その次の朝は、もうちゃんとお化粧をして、茶の間にいる親戚の皆と話しをしていた。
○○ちゃん、おきたの?おはようさん。叔母は私を見てニッコリ笑って、これ食べる?とお菓子を差し出してくれた。

私の一番初めの叔母の記憶だ。コロコロとよく笑う美しい人だった。

叔母は、童女のようになって、12月17日に叔父の元へ逝ってしまった。

眠っているような穏やかな顔をした叔母は、あの日のお嫁さんのように美しかった。
いっぱいの花に埋もれて、すっきりとした顔で、叔母は逝ってしまった。
[PR]
by hanarenge | 2005-12-23 01:30 | 幼い頃の・・・ | Comments(11)

 心模様の一こまを・・   れんげそう