心の万華鏡  

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2017年 09月 07日

ドラゴンフルーツと恐竜

最近 ドラゴンフルーツを食べることが多い

私の家の横には竹藪がある いや正確にはあったのだ

去年の暮れ?今年に入ってから?

もう覚えていないのだけど この60度くらいの傾斜の竹藪が ビ〜〜〜〜ン ビ〜〜〜〜〜ン
キュルキュル ビ〜〜〜〜〜ンと音を立て始めた

(息子に言わすと60度もないと言うが 私にはそう感じられる) 上からボールを落とすと ものすごい勢いで転がって下まで行ったら跳ね返ってきそうに思えるもの

竹藪は見ている間に刈り取られたというか切り取られたというか

丸裸になった元竹藪の後地は2月の冷たい空の下で 震えているようだった

そこを うんとこしょと登っていく機械 60度もあるからしんどそうに見える
唸りながら(エンジン音を響かせて)とうとうてっぺんまで登ってしまった

私はそれをずっと見ていたのだ 機械がひっくり返ったらどうするのかと思いながら

機械はそれから日がな一日 そこにしがみついて やたらと土を掘り返し 踏みつけ 叩いていた
竹の根っこが固まって 抵抗していたけど 何かの恨みでもあるように引き剥がされてしまった

ドスン ボコン ガタン 腹に響く音にも慣れた頃

大きなトラックがガンガン言わせながらやってきて 重たい鉄柱を何本も下ろしていった

それを持ち上げるだけでも大仕事だ
もっと右とか待てとか 怒鳴り声も聞こえる

チョコレート色の鉄の柱は残らず上に上げられた

鉄の柱は もう2度と日の目を見ることはない

ガンガンねじ込まれて 地中に潜ってしまった

それでもまだ足りなくて トラックがやってきては下ろしていった

竹藪は鉄柱の藪のようになった

寒々した空の下に不機嫌そうに突っ立っている鉄柱 それをガンガン叩く機械も人も皆不機嫌のオーラを出しているようだった

その音がまた耳に響く 

やっと音にも慣れた頃 突然止んだ

ものすごく静かな鉄の林

一瞬 私は工事は中断 そして林はこのままに
ここにいつか緑の草が生えて 鉄柱に蔦が巻きついて 花が咲いて 不思議な光景が見られるのではと期待してしまった

期待は裏切られるものだ

大きなミキサー車がやってきた
灰色に汚れた太いチューブが地面をのたうちまわって 生コンを吐き出していった
何回も何回も繰り返されて 少しずつ鉄柱の周りがコンクリートで固められていく
気がつくと 60度の傾斜の上に真っ平らなコンクリートの地面ができていた

しばらく放って置かれたけれど この前からオレンジ色の恐竜の親子のような機械が2台やってきて コンクリートの地面を掘り返している 
いや 新しい土を持ってきて埋めているのかもしれない

夕焼けになるとオレンジ色の機械はピカピカ光る
そして長い首を伸ばして 地面を嗅ぎまわるような格好で土をほじくり返す
小さい方の恐竜は その後からチョコマカ動いてやっぱり土を混ぜ返している

ここに新しい家が建つのだろう

竹藪のすぐ上にあった家は ベランダの横まで恐竜の首が伸びてきているからもし当てられたら壊れてしまうだろうと余計な心配もしている
だけど下から見たら すぐ横でもきっとかなり空いているのだろうと思う

今日も恐竜が忙しく動いていた

私は ドラゴンフルーツを食べながら すっかり耳に馴染んだ音を聞いていたのだ

ドラゴンフルーツは美味しい 何の関係もないけれど

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by hanarenge | 2017-09-07 19:10 | 心模様 | Comments(0)
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